長はそのしゃがれた声を震わせながら、わしらに羽切ヶ森の話をきかせてくれたんじゃ。『おぬし等がまぁだ自分でションベンもしぎらんほどちっせぇときだ。こっがら三里程北に向かった森によ、悲しい声で鳴く鳥がおったんだそうだ。その鳥をはじめて見た猟師によっど血まみれになりながら自分の羽さ毟っておったんだと。あんまり不吉な光景を見たせいか、猟師の耳ん中にこびりつくようにあだまん中でずぅっど鳥の声がしておったんだと。ほんで鳴き声はしばらく続いて、ある時ぴた~っと止んだそうな。不思議に思った猟師はまた森ん中さ入っていったんだが鳥の姿は見えず異形の女がおったんだと。猟師は直感でその女があの時の鳥と思ったそうじゃ。恐る恐るちかよっと女は優しく猟師に声を掛けて望みを問うたんじゃと。猟師は粗末な家に一人暮らしておった故、大金持ちになりたいとその女に答えたそうじゃ。すっとみるみるとみすぼらしい恰好が品格ある姿に変わったんだと。飛び上がる程に喜んだ猟師をあとに話は途絶えてその後はどうなったのかわかりはせん。しっがし猟師がおらんくなったと思うとったら、まぁた夜な夜な泣き声のする森に変わり、いつしかそこは羽切ヶ森と名付けられたんじゃ。まぁよくある昔話じゃがのぅ。ええが、おぬし等・・・あんの森にゃぜってぇいっではなんねぇど!!!』